
CursorエディタにAgent Skillsを追加する
Agent Skills登場!
2025年末から2026年頭にかけて、AI開発の世界で「Agent Skills」という仕組みが注目され始めています。これはClaude(クロード)の開発元であるAnthropic社が策定し、オープンスタンダードとして公開した仕様で、AIアシスタントに専門的な作業手順を覚えさせるためのフォーマットです。仕様は agentskills.io で誰でも参照でき、Anthropicの公式GitHubリポジトリにもリファレンス実装が公開されています。
当社が開発に使っているAIコードエディタ「Cursor」も、2026年1月のバージョン2.4でこのAgent Skillsに正式対応しました。ところが、実際にCursorでスキルをどう設定するのか、具体的に何をどこに置けばいいのかを解説した記事は、日本語ではほとんど見当たりません。英語圏でもCursor公式ドキュメントとフォーラムの質問スレッドがある程度で、まとまったチュートリアルは少ない状況です。
そこで今回は、Agent Skillsの概要と、Cursorへの具体的な追加手順を、当社での活用例を交えてまとめてみます。
Agent Skills とは何か
当社ではAIコードエディタ「Cursor」を使って、このサイトの開発を行っています。Cursorは、コードの生成や修正をAIに相談しながら進められるエディタで、開発の効率を大きく変えてくれた存在です(Cursorそのものについては、また別のコラムで詳しく書く予定です)。
Agent Skillsとは、簡単に言えば、AIアシスタントに「特定の仕事のやり方」を覚えさせる仕組みです。たとえば「コラム記事を書くときはこの口調で、この構成で、この場所に保存して」といったルールをファイルにまとめておくと、次回からAIがそのルールに沿って動いてくれます。毎回同じ指示を繰り返す必要がなくなるわけです。

私のイメージでは、専門的な知識をまとめたノートを、AIが自分の後ろの本棚に並べて置くようなイメージです。
従来のプロンプト(AIへの指示文)との違いは、スキルがファイルとして保存・再利用でき、Gitでバージョン管理もできる点です。チームで共有したり、GitHubで公開して他の人に使ってもらうこともできます。Anthropicがオープンスタンダードとして設計した理由は、まさにこの「共有と再利用」にあります。
スキルの正体は、ただのフォルダとテキストファイル
Agent Skillsと聞くと大げさに聞こえますが、実体はとてもシンプルです。所定のフォルダの中に、`SKILL.md` というMarkdownファイルを1つ置くだけ。特別なインストール作業も、設定画面での有効化も必要ありません。Cursorが起動時に自動で検出してくれます。
ファイルの中身は、スキルの名前・説明・AIへの指示を書いたテキストです。プログラムを書く必要はなく、日本語で「こういうときはこうしてほしい」と書けば、それがそのままスキルになります。
スキルを置く場所は2種類
スキルの保存先は2つあります。
プロジェクト単位で使うなら、プロジェクトフォルダ内の `.cursor/skills/` に置きます。そのプロジェクトを開いているときだけ有効になるので、プロジェクトごとに異なるルールを持たせたい場合に向いています。
すべてのプロジェクトで共通して使いたい場合は、ホームディレクトリの `~/.cursor/skills/` に置きます。macOSなら `/Users/ユーザー名/.cursor/skills/` がその場所です。ここに置いたスキルは、どのプロジェクトを開いていても使えます。
フォルダ構成の具体例
実際のフォルダ構成はこんな形になります。
.cursor/skills/
├── column-writing-guidelines/ ← 自作スキル
│ └── SKILL.md
├── another-skill/ ← 別のスキル
│ └── SKILL.md1スキル=1フォルダ+1つの `SKILL.md` が基本です。必要に応じて参考資料やスクリプトを同じフォルダに入れることもできますが、最小構成はこれだけです。
なお、ホームの `~/.cursor/skills/` の中に `skills-cursor` というフォルダがある場合がありますが、これはCursorの組み込みスキルです。中身を編集したり削除したりしないよう注意してください。
SKILL.md の書き方
SKILL.md の最小構成は以下のとおりです。
---
name: my-skill
description: このスキルが何をするか、いつ使うかの説明。
---
# スキル名
## 手順
- AIに向けた具体的な指示をここに書く冒頭の `---` で囲まれた部分(frontmatter)に、スキル名と説明を書きます。`name` は英小文字・数字・ハイフンのみ。`description` にはスキルの用途を具体的に書いておくと、AIが会話の文脈から「今このスキルを使うべきだ」と自動で判断してくれます。
本文には、AIに従ってほしいルールや手順を自由に書きます。Markdown形式なので、見出し・箇条書き・テーブルなども使えます。
スキルの呼び出し方
スキルの呼び出しには2つの方法があります。
自動適用: 会話の内容からAIが「このスキルが関連しそうだ」と判断すると、自動的にスキルの内容を参照して動きます。descriptionの書き方が重要になるのはこのためです。
手動呼び出し: Agentチャットで `/` を入力すると、登録されているスキルの一覧が表示されます。そこからスキル名を選択すれば、明示的に適用できます。
GitHubからスキルを追加する
自分で書く以外に、GitHubで公開されているスキルを取り込む方法もあります。
(あまりしっくりくる情報がなかったので、ここが一番自分にとっては大事)
Cursorの設定画面から追加する方法として、Settings → Rules → Project Rules から「Remote Rule (Github)」を選び、リポジトリのURLを入力する方法があります。ただし、常にGitHubの最新版を参照するかどうかは公式に明示されていないため、確実性を求めるなら手動でのクローンがおすすめです。
手動でgit cloneする方法なら、ローカルに確実にファイルが残り、更新のタイミングも自分で制御できます。
git clone https://github.com/username/skill-repo.git ~/.cursor/skills/skill-repo更新したくなったら `git pull` するだけです。
当社での活用例
実際に当社では、このコラム記事の執筆ガイドラインをスキルとして登録しています。口調は丁寧語で統一する、分量はコラムなら800〜1,000字・技術記事なら1,500〜2,500字、下書きは `docs/columns/` に保存する――こうしたルールをスキルにまとめておくことで、「コラムの下書きを書いて」と伝えるだけで、AIがガイドラインに沿った記事を出してくれるようになりました。
(ちゃんとAIで書いた記事も人間の手で手直ししていますよ!)
毎回「口調はこうで、分量はこれくらいで……」と指示し直す手間がなくなるのは、地味ですが大きな効率化です。
おわりに
Agent Skillsは、AIを「汎用のアシスタント」から「自分の仕事を知っているアシスタント」に変えてくれる仕組みです。プログラミングの知識がなくても、テキストファイルを1つ書くだけで始められます。
Cursorを使っている方は、まず繰り返しお願いしている作業を1つ選んで、スキルにしてみてください。思った以上に快適になるはずです。

